インタビュー 生まれ変わった都立大学駅

東急電鉄では沿線の方々がイキイキと働き、快適に暮らし、楽しみのある街を実現するための新たな取り組みとして「いい街 いい電車 プロジェクト」をスタートさせています。その重点施策として、東急線駅構内・高架下・駅ビルの店舗開発&リニューアル施策がぞくぞくと推進中。第一弾となる東横線都立大学駅高架下開発を担当した刀田かおりさんに、プロジェクトへの思いを聞きました。

地元の方々に愛される高架下施設へ

今回の都立大駅高架下開発は、オープンまでかなりの年月を要したようですね。

「人も街も元気にさせる、キラキラした駅をふやしたいですね」

企画・コンセプト策定から完成まで2年くらいかかりました。私は、1年半前から携わってきました。

元々この地には1961年に開業した「トリツフードセンター」があり、地元の方々に親しまれていました。2007年に、鉄道高架橋の耐震工事のためにやむなく閉鎖となり、その後段階的に開発を進め、2010年には自由ヶ丘寄りに先行して高架下施設が開業し、営業しています。
今回の開発は、それに続くもので、まさに都立大学高架下施設の集大成となるプロジェクトです。

刀田さんの役割はどんなものだったのでしょう。

当社は、渋谷や二子玉川など、大きな街づくりを行っていますが、今回のプロジェクトは、高架下や駅周辺のリニューアルや開発。社内スタッフは企画と建築合わせて5名以下の小規模体制だったので、企画・コンセプトから設計、リーシング、開業販促、開業促進など、基本的にすべての業務に携わりました。

とくに注力したポイントは、どんな点でしょう?

「都立大の魅力は、周辺に邸宅が多く緑が豊かなところ」

「ToritsuNade(トリツナード)〜都立大の良さをつなぐ、歩いてみたくなる高架下施設〜」というコンセプトを、どう具現化するかということ。都立大の魅力は、周辺に邸宅が多く緑が豊かなところ。美しい緑道や散歩道をゆったりと歩く地元住民の方々に、どれだけ愛着をもっていただけるかがポイント。そのために、自然豊かな周辺環境との親和性を考慮して、施設周辺に植栽をふんだんに施しました。施設の前にある目黒区さんの高架下広場も、ちょっと休憩できるように、同じタイミングで改修しました。

地元の方が散歩のついでに気軽に立ち寄れるような雰囲気ですね。

施設の屋上には、自転車を112台収容できる駐輪場を設置。

そうなんです。お隣の自由が丘は、外から人がたくさん遊びに来るじゃないですか。都立大は、地元の方やオフィスのある方が利用する駅です。住民の方々の生活の中に、自然な形で溶け込むことが大切。実は、私、実家がわりと近くなんです。子供の頃には、塾に通った街ですし、その昔には父がプラモデルの材料を買いに遊びに来ていた街がこの都立大で、ほぼ地元なんです。それだけ、思い入れも強かったですね。

施設のデザインについてはいかがですか?

デザインコンセプトは「KOUKASHITA GARDEN」。まさに、今お話しした通り自然との調和がテーマなのですが、そのコンセプトを周辺環境だけでなく建物のデザインにも踏襲すべく、壁面を木目調にしました。高架下の壁面にウッディなデザインというのはおそらく初めてのことではないでしょうか。屋上には、自転車を112台収容できる駐輪場を設け、住民の方々の声にお答えする形で、都立大学では2ヶ所目の駐輪場になります。

ウッディな壁面に温もりのある照明

テナントも個性あふれるお店が揃いましたね。

「現場経験やお客さまと直接関わったことが幅広い業務に活かせたと思います」

はい。都内初出店の珈琲店や地元の老舗精肉店、農場直営のたまご専門店など、こだわりのお店が揃いました。リーシングでは、苦労したのですが、結果的に都立大らしいテナント構成になりました。

テナント誘致も担当されるとは、本当に業務が幅広いですね。

私は、東急百貨店東横店で販売員や販促の仕事をやっていたこともあるんです。女性服飾小物を扱う売り場で、スカーフや財布などを販売していたこともあるんですよ。そうした現場経験やお客さまと直接関わったことが幅広い業務に活かせたと思います。

普段から街歩きはお好きですか?思わず、高架下に目が行ってしまうとか?

気になるお店や高架下は、チームのみんなで食事に行ったりしてましたね。秋葉原の2k540 AKI-OKA ARTISANや石神井公園のエミオは注目していました。

そんな刀田さんが、個人的に最もこだわったところはどんな点でしょうか。

従来の高架下のイメージを一新し、外壁にはウッディな素材を使用。さらに多様な植栽により、心地よく四季を楽しめる空間に。

照明ですね。夜間の雰囲気にも気を配りたかったので、ポールや柱、壁面の照明はすべて同じ色温度にして、オレンジ系の温かい灯りにしました。コンビニのような白い灯りは冷たい感じがして絶対にいやだった。地元密着型の駅ですから、帰ってきたときに温もりを感じてもらいたかったのです。降りたときにホッとできるっていいですよね。知らない街に行ったときも、駅がキラキラ輝いていると、素敵な街だなぁってワクワクしますよね。駅は、街の玄関なんだと思います。

今後のプロジェクトの予定はいかがでしょう。

今年の秋以降、武蔵小杉、祐天寺、中央林間など、続々と駅構内・高架下・駅ビルの新規開業やリニューアルを予定しています。五反田と大崎広小路の間や大井町と下神明の間など、古い高架下のリニューアルも手がけていきます。これからも、キラキラした駅をふやしていきたいですね。

2015年9月現在